不動産売却のウラ話②

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今回は、以前書いた「不動産売却のウラ話①」の続きを。

不動産仲介会社の「物件を止める」お話しをしましたが、
私が、過去に実際に遭遇した具体例をば。

私がまだ某不動産仲介会社に勤務していたころのお話です。

始まりは、一本のお問い合せ電話からでした。

そのお客様(仮にAさんとします)は、
中古マンションを探していましたが、
現在、すでにマンションを所有しており、
諸事情により、「お住み替え」を考えていらっしゃいました。

いろいろお話を聞いていくと、
既に自宅の売却をほかの不動産業者(仮にB社とします)に
「専任媒介」で依頼している、
とのこと。

ちなみに、住宅ローンが残っているので、
自宅売却→住宅ローンの返済
が確定しないと、次の住み替え先の購入ができない、
売却先行型のお客様でした。
簡単に言うと、
「売れないと買えない」
という状況です。

マンション名をお聞きしたので、早速調べてみると…

ありました。

不動産業者間のデータベース「レインズ」に売却情報が出ています。

私「ちゃんと売りに出ていますね。
早く売れるといいですねー。」

と、その時はそんな感じで終わりました。

で、その後…
マンションを探している別のお客様のご希望を聞いていた時に、
「あ、Aさんのご自宅、ちょうどいいかも!」
と思い立ち、B社に販売状況の確認で電話をしてみると…

「契約予定です」
との回答。

ん?
購入申し込みが入ったのね!
Aさん良かったねー。
じゃあ、Aさんの住み替え先も探さないと!

それから1週間後…
ふと「レインズ」を見ていると、
あれ?まだAさんち、掲載されてる?
キャンセルになっちゃった?

一応、B社に確認の電話をすると…

「契約予定です」

んー?
1週間たってもまだ契約してないの?
これは…
あやしい…

そこで、Aさんに電話して聞いてみると…

「え?契約予定?全然そんな話は無いですよ」
とのお返事。

もうこの段階で、私の中では、
「あー物件を止めているのね」
と確定ランプが灯っています。

なぜなら、
珍しいことではないから、です。

普段であれば、あまり気に留めず、スルーするところですが、
今回はちょっと事情が違います。
なぜなら…

・Aさんは「売れないと買えない」お客様ですから、
B社がちゃんと売ってくれないと、
私のご紹介した物件で買ってもらえません。

・Aさんのご自宅に興味を示しているお客様がいるのに、
物件を止められていることにより、ご案内ができません。

ということにプラスして、B社の対応が
・売却開始から2か月経過している(Aさんからの話)のに、
レインズに販売用の図面すら、登録されていない。
⇒他の不動産仲介業者に紹介する気があまりない。
・レインズに登録されている販売価格と、Aさんが言っている販売価格が
200万円もずれている。
⇒他の不動産仲介業者に紹介する気は…ゼロですね!

と、あまりにもひどい状況。

物件を止めているのは、珍しいことではありませんが、
ちょっとやりすぎでしょ!
悪いことしている意識がまるでなし!

かなり頭にきた私は、Aさんに状況を
すべてお話しすることにしました。

Aさんは、私の話を聞いて、
びっくりするよりも、
「そんなことあるわけない!」
というスタンスでした。

が…

私「ちなみに、この2か月でB社以外のご案内(内覧)は、
ありましたか?」

Aさん「ん?そういわれると…無いかも」

私「ええ、無いはずです。
現に、今、私のお客様でAさんのご自宅をご案内させて頂きたい方が
いらっしゃいますが、B社のせいで、できません。」

Aさん「…」

私「しかもB社は、200万円も高い価格で、レインズに掲載しています。
そもそも他の仲介会社に情報を公開する気がないので、
価格が違っても関係ない、ということかと思われます。」

Aさん「…」

ここで、ようやくAさんも事情をご理解いただきましたが、
まだ、半信半疑ではありました。

いろいろお話しをさせて頂いた結果、
Aさんの結論は、
「お聞きした話が事実だとすると、ひどい話しだと思います。
ただ、B社の担当者も一生懸命、販売活動をしてくれていると信じたい。
なので、B社との媒介契約期間(あと1か月)中は、
B社にお任せしようと思います。
その時にまだうちが売れていなかったら…
山岸さんのところに売却をお願いします。」

というものでした。

Aさん、あなたはなんて、いい人なんでしょう!

私から見れば、B社(か、もしくはその担当者)は、
最低の詐欺師野郎!
です。

ただ、Aさんがそうおっしゃるのであれば、
私はこれ以上は何も言えません。

Aさんのお住み替えがうまくいくことを祈りつつ…
その話はそこで終わりました。

それから1か月後…

結果からお話をすると、
Aさん宅はその後も売れず、
B社との専任媒介契約期間が終了すると同時に、
私のところで改めて専任媒介契約を結び、
3日で購入申し込みが入り、
めでたく売却の契約を締結することができました。

そうです。
「Aさん宅は、普通に売却していれば、
普通に売れる、優良物件であり、
B社が「物件を止めた」ことにより、
3か月という期間を無駄に過ごしてしまった。」
ということです。

さらに…
AさんがB社の物件を止める行為に気づかず、
B社への売却依頼を継続していた場合、
「売れ残っている物件」との認識が広がり、
価格を下げる⇒それでも売れない⇒さらに価格を下げる…
というスパイラルにはまり込む可能性があった、
とも言えます。

こんなような事例は、
おそらく!
いっぱいあるのだと思います。

売主様は、売却を依頼した仲介業者(およびその担当者)を
信用しているのに…

許せませんよね。

ただ、
まだまだ、この物件を止める行為は、
業界内に、はびこっています。

このような行為を撲滅する
何かいい方法があればいいのですが…。

次回は(って、まだこのネタで引っ張るんか~い!)
不動産の売却を仲介業者に依頼するときに、
「物件を止める」行為をさせない対策を
考えてみようかな、と思っています。

今回はこのへんで。

では。

 

続き↓

不動産売却のウラ話③

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